筋トレ中はアルコールを控えたほうが良いの?

筋トレ中はアルコール控えた方が良い?

監修:JATI-ATI認定トレーナー 首藤陸

健康管理や体質改善、ダイエットなどの目的で習慣的に筋トレをする人は多いでしょう。

筋トレをするとしなやかな筋肉やメリハリのあるボディラインを手に入れられます。

また、仕事や子育てでストレスを抱えている人は、少しの運動がストレス解消になる場合があります。

日中は椅子に座ってばかりでも、こまめに筋トレをすることによってなまった身体をほぐしながら基礎代謝量をあげることができます。

お酒が好きな人にとっては、筋トレの間にも息抜きにアルコールを摂取したくなることがあるでしょう。ただし、アルコールは筋トレと相性が悪いというイメージがあり、思い切って禁酒する人もいます。

トレーニング中はアルコールの摂取を控えたほうがよいのでしょうか。今回は、筋トレとアルコールの関係について解説します。

みんなのパーソナルトレーニング」では、NSCA認定トレーナー(NESTA-PFT、NSCA-CPT)や管理栄養士の監修の基、情報提供を行っております。

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首藤陸JATI-ATI認定トレーナー 首藤陸 コメント

僕のお客様で、ダイエットのためにお酒を制限した方はブライダルなど短期的な目標がある方です。

基本的にお酒が好きな方は、お酒とうまく付き合いながらダイエットを進めていただいております。

なぜなら、お酒を制限してしまい、ストレスによって、食事管理ができなくなってしまうリスクが高いからです。

とはいえ、短期間でのダイエットは、お酒を抑えなければダイエットを成功させることが難しいです。

なので、お酒を辞めていただき、その分、炭酸水や0カロリージュースなどをお酒代わりにしていただきました。

長期的なダイエットの場合、週1回のお酒に抑えていただき、糖質を含まないウィスキーや焼酎をメインで飲んでいただいております。

 筋トレ中にアルコールを飲むとどうなる?

一般的には筋トレ中はアルコールを控えたほうがよいと考えられています。

しかし、お酒が好きな人や付き合いの多い人、仕事の関係上飲み会を避けられない人は、筋トレ中でもアルコール摂取を避けにくい状況に陥る場合があります。

我慢したり断ったりするのが難しいケースがあるため、筋トレ中にアルコールを飲むと具体的にどのような影響があるのか知っておきたいという人も多いでしょう。

ここからは、お酒を飲むとどうなるかについて3つの具体的な事象をご紹介します。

筋肉が痩せる

筋力トレーニングを行っている人は、積極的に食事にタンパク質を取り入れるようにしているでしょう。

これは、筋肉がタンパク質からできているからです。大量のアルコールを摂取すると、副腎という内分泌腺からコルチゾールというホルモンが分泌されます。

コルチゾールの異名は「ストレスホルモン」で、肉体的・精神的ストレスを感じた時に分泌される仕組みです。大量の飲酒によってコルチゾールの分泌が促されることがあります。

コルチゾールには、タンパク質をアミノ酸に分解してエネルギーを生産する異性作用があるため、筋肉のタンパク質を分解してしまうことがあります。

結果的に、増強したい筋肉が逆に痩せてしまいます。限度を超えたアルコールの摂取によってコルチゾールの分泌量が増えると、筋トレの効果が半減する可能性があるのです。

アルコールと筋トレの相性が悪いと考えられているのは、このためでしょう。飲酒量が増えるほどコルチゾールが分泌され、筋トレで積み重ねた効果を減少させてしまうので注意が必要です。

参考として、コルチゾールは血糖値の低下や血圧低下を防止する作用を担っていますが、過剰に分泌されると「クッシング症候群」といい肥満や筋肉の衰え、皮膚の劣化などの症状を引き起こします。

男性ホルモンが減少する

男性ホルモンの一種である「テストステロン」は、男性だけでなく女性ももつホルモンで、筋肉の増強にとって欠かせないホルモンです。

テストステロンは、骨格の形成や筋肉の成長に働きかけるホルモンで、20代をピークにだんだんと分泌量が減っていきます。

テストステロンが減少すると、筋肉量が落ちていき、肥満や糖尿病などの発症にも繋がると考えられています。年齢とともに身体が衰えやすくなるのはテストステロンの減少とも関係があります。男女ともに健康な体を維持するための重要なホルモンなのです。

テストステロンの分泌は筋トレでも重要です。

トレーニングをすることによってテストステロンが分泌され、筋肉の増強を促し筋肉の分解を防ぎます。ところが、アルコールを大量に摂取するとテストステロンの筋肉の合成を促すシグナルが低下するおそれがあります。

したがって、アルコールによる男性ホルモンへの影響は筋トレの効果を下げると考えられています。物理的に筋トレをしても、その効果が半減してしまうと効果を感じにくくなってしまいます。

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テストステロンの筋肉の合成を促すシグナルが低下した状態になってしまっている場合、約1日で回復します。

なので、お酒を飲んてしまった場合、その日はトレーニングを休み、翌日にトレーニングを行うと良いでしょう。

また、筋分解を止めるためにも、お酒を摂取する前や摂取している際にBCAAを摂取することがおすすめです。

筋肉が硬直してくる

お酒を飲んだ後に身体が硬くなったと感じたことがある人も多いでしょう。

アルコールの摂取は身体にさまざまな変化をもたらします。お酒を飲むと、肝臓はアルコールを分解するために忙しくなります。

休みなくアルコール成分が肝臓に届けられると、それ以外の成分を分解する働きが鈍って代謝機能の低下を引き起こします。

この結果、筋肉が縮んでしまい、身体が硬くなったりだるさを感じたりすることがあります。筋トレをしている間に肝心の筋肉が硬直してしまうと、栄養素の伝達が鈍りトレーニングの効果が出にくくなります。

それだけでなく、代謝機能が衰えることによって疲労からの回復が遅れるというデメリットもあります。

また、がぶ飲みなどの短期間での大量飲酒は、身体に急性的な変化をもたらすことがあります。

運動制御能力が下がるので、筋トレ中の効率が悪くなるのはもちろん、思わぬ怪我につながる危険性もあるでしょう。状態が悪いと「急性アルコール筋症」という筋繊維が破壊されてしまい筋肉痛のような痛みを発生することもあります。

この症状で起こる筋肉痛は筋トレによる筋肉痛とは異なるもので、回復して筋肉の増加につながるということがありません。慢性的なアルコール筋症になってしまうと筋肉が壊死してしまうこともあるので注意が必要です。

筋トレしたい人がアルコールを飲む場合に注意すべきことは?

筋トレ中にアルコールを摂取するにはリスクが伴いますが、お酒が好きな人にとっては禁酒がストレスになったり仕事でどうしても飲み会を避けられなかったりする場合があるでしょう。

ストイックに筋トレをしているだけだと息が詰まってしまい長く続けられないという人もいます。筋トレに取り組んでいる人がアルコールを飲む場合にどのような点に注意すべきなのでしょうか。飲んでしまってから罪悪感が残らないように、アルコールを取る場合に気を付けるべきアルコールの種類や量などのポイントをご紹介します。

お酒の種類は何がいい?

アルコールと一口にいってもたくさんの種類があり、種類によっても筋肉へどのように影響するかという違いがあります。

アルコールを大きく分けると「蒸留酒」と「醸造酒」の2種類があります。

蒸留酒はウィスキー、焼酎、ウォッカなどが分類されます。果物や穀物などを酵母の力でアルコール発酵させて生産されます。

醸造酒にあたるのは大麦から作られるビール、米を使用する日本酒、ブドウを原料とするワインなどです。蒸留酒は醸造酒に比べて糖質が低い傾向にあり、筋トレをしている場合にも筋肉への影響が低いと考えられています。

糖質が高く不純物が入った醸造酒の場合、肝臓にかける負担がより大きくなります。お酒を飲むならなるべく肝臓に負担のかからないものを飲み、血液循環を滞らせないように心がげましょう。

また、蒸留酒は醸造酒よりカロリーが低い点も注目すべき点です。筋トレに合わせて食事やカロリーの制限をしている場合、お酒で一気にカロリーが増えてしまってはそれまでの努力が無駄になってしまいます。

お酒を飲む際のおつまみも合わせて高カロリーにならないように気を付けましょう。

蒸留酒が適しているとはいえ、蒸留酒はアルコール度数が高くなります。

暑い季節や運動の後でどうしてものど越しのスッキリするものが飲みたいという場合は、ウィスキーを炭酸水で割ったハイボールなどを試してみるのもよいでしょう。

少ないアルコールでも酔った気分を楽しめ、カロリーも低く抑えることができます。また、自分でブレンドして好みの味に調整できるのでおすすめです。

適量を守ること

トレーニング中にアルコールを飲みたくなった場合、どのくらいの量を目安にしたらよいのでしょうか。

アルコール摂取量は厚生労働省が提唱している「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を目安にするとよいでしょう。

これを参考にすると、1日あたりの純アルコール摂取量が男性で40グラム以上、女性で20 g以上の場合に生活習慣のリスクが高まるとされています。また、節度のある飲酒量としては純アルコール摂取量が1日につき20 gとされています。したがって、これを超えない量でアルコールを嗜むことが推奨されます。

純アルコール量の求め方は、「飲酒量(ml)×アルコール度数(%)/100×アルコール比重0.8=純アルコール量(g)」です。例えば、ビールの中瓶を1本飲む場合の純アルコール量は、「飲酒量500ml×アルコール度数(5/100)×アルコール比重0.8=20g」と求めることができます。目安として、20gはビールなら500ml、焼酎は0.6合、日本酒は1合です。

この指針に加えて、適切な飲酒量は個人の体調や体質、トレーニングのプログラムや方針にもよります。少なければ少ない方がアルコールによる影響が少ないのが事実です。

食事制限をしている場合やプロのトレーナーが付いている場合は、希望のアルコール摂取量が限度を超えていないか確認してみましょう。自身の状況をしっかり把握しながら飲酒量を見極めることが大切です。

サプリメントを飲む

お酒の種類や飲酒量に注意しても不安が残るという場合は、サプリを飲んでアルコール代謝をサポートする方法があります。

例えば、というアミノ酸系サプリを飲むのがおすすめです。BCAAとは、「Branched Chain Amino Acids」の略で、バリン、ロイシン、イソロイシンを示す分岐鎖アミノ酸のことで、必須アミノ酸の1種です。

必須アミノ酸は体内で生成されることがないため、食事やサプリで摂取する方法しかありません。運動量が多い人は、必須アミノ酸の消費量も高くなるため、BCAAを摂ることによって効率的に必須アミノ酸を補うことができます。また、BCAAはタンパク質成分の合成を促進し分解を抑えるので、筋トレをしている人にとっては筋力増強のサポートになるアイテムといえます。筋肉の疲労や筋肉痛を軽減する効果もあります。

とくにトレーニング前のアルコールはNG

トレーニング中に種類や量に注意しながらアルコールを摂取する場合でも、筋トレに入る前は飲酒を避けたほうがよいと考えられています。

既にご紹介した通り、アルコールを飲むと筋肉を分解する作用のあるコルチゾールが増えたり、筋肉の増量に効果的なテストステロンの分泌が減ったりする可能性があり、物理的な筋トレに入る前にアルコールを摂ると、筋トレの効率が大幅に下がってしまうでしょう。

また、アルコールの摂取後は代謝スピードが下がり、疲労を感じて集中力が欠如したり酔ってしまったりすることがあります。自分は大丈夫と思っていても、思わず器具を落としてしまったり転倒してしまったりすると非常に危険です。身体の状態をよくするために行う筋トレも、怪我をしてしまうと台無しです。

特に、アルコール摂取時は普段より血行が促進されており、炎症が起こった際には悪化しやすくなります。また、ジムやトレーニング室で筋トレを行う場合は、他の人に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。このような理由から、トレーニングに入る前はアルコールを控えるのが無難です。

首藤陸JATI-ATI認定トレーナー 首藤陸 コメント

アルコールを摂取する際に意識していただきたいポイントは、栄養をしっかりと入れることです。

アルコールを摂取することで、筋分解が進みます。

この際、食事を行わなければ、栄養が不足して、筋分解が加速してしまう。

なので、筋分解を防ぐためにも筋肉を作る材料「タンパク質」の摂取を積極的に行うことが重要です。

また、アルコールを体外に出すためにも水の摂取も行いましょう。

理想は、アルコールと同じ量の水を同時に摂取することです。

そうすることで、尿としてアルコールを体外に放出することができます。

筋トレ中はアルコールを控えたほうが良いの?まとめ

筋トレ中でもお酒が飲みたくなってしまったり仕事の付き合いで禁酒するのが難しかったりする場合は、アルコールの種類や量、自分の体調などに留意してお酒と付き合うのがよいでしょう。

筋トレに影響を及ぼしにくいのは、蒸留酒です。炭酸水と合わせて飲むなど、飲み方を工夫して少量を飲むのがおすすめです。

また、合わせて筋肉増強や肝機能の向上などに効果が期待できるBCAAなどのサプリを摂取すると、飲酒によってもたらされるマイナス効果を最小限に抑えることができるでしょう。

注意点として、筋トレをする前に飲酒をするのは危険を伴うとともに、トレーニングの効果を大きく下げます。これから筋トレをするというタイミングでのアルコール摂取は避けましょう。

みんなのパーソナルトレーニング」は、パーソナルジム情報サイトです。700件以上のパーソナルジムが見つかるでしょう。口コミや評価などの情報が手に入るのも嬉しい点です。筋トレ中の食事制限やアルコール摂取は筋トレのプログラムや方針、個人の体質にもよります。筋トレに集中して効果を上げたい人には、ジムでパーソナルトレーナーに相談しながらトレーニングをするのがおすすめです。

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