加圧トレーニングって?そのメリットデメリットを紹介

加圧トレーニング

監修者:JATI認定トレーナー 首藤陸

巷ではさまざまなトレーニングが紹介されていますが、効率良く結果を出すためにもメリットやデメリットを考慮しながら自分に合うものを選ばなければいけません。

なかでも、専用のベルトを装着しながら運動する「加圧トレーニング」は、ダイエットや美容、筋肉増強を目指す人から人気の高いトレーニングのひとつです。

テレビや雑誌で紹介されることも多いため、興味はあるもののどのようなトレーニングなのか詳しく分からないので、始めていないという人もいるのではないでしょうか。今回はJATI認定トレーナーの首藤さんとともに、加圧トレーニングとはどのようなものなのか、どのようなメリットやデメリットがあるのかを詳しく解説していきます。

加圧トレーニングってどんな運動?

加圧トレーニングに興味のある人なら、鍛えたい筋肉に負荷をかけながら運動をするということまでは何となく知っているかもしれません。実際にトレーニングを始めるとなると、具体的にどのような運動をするのか、なぜ加圧トレーニングが筋肉増強やダイエット、血行促進などの効果が期待できるといわれているのか気になりますよね。

まずは、加圧トレーニングの具体的な方法や筋肉増強のメカニズムについて解説していきます。

加圧トレーニングとは

加圧トレーニングとは専用のベルトを腕や脚の付け根に巻いて圧力をかけながら運動をするトレーニングです。

圧力をかけることで血流が制限されるため、負荷は少しかけるだけで良いうえに短時間で効果が期待できます。加圧トレーニングは、筋肉への負荷が最大筋力の20~30%程度の低負荷で運動することが可能なのに最大筋力の80%程度の高負荷で運動したときと同じかそれ以上の効果があるともいわれているのです。

また、筋肉には速筋と遅筋があり、速筋は高負荷で短時間の運動、遅筋は低負荷で長時間の運動をすることで鍛えることができます。この2つの筋肉を鍛える際に加圧トレーニング以外で鍛える場合は、それぞれ異なる条件でトレーニングをしなければいけません。しかし、加圧トレーニングで鍛える場合は両方を一緒に鍛えることが可能です。

ただし、完全に血流が遮断されてしまうと体に悪影響を及ぼす可能性があり、いきなり1人で始めたり自己流でベルトを巻いたりするのは危険なのでやめましょう。

首藤陸JATI-ATI認定トレーナー 首藤陸 コメント

初心者が加圧トレーニングを行う場合、加圧の強度を強くしすぎないようにしましょう。

加圧トレーニングは、筋肉に圧力をかけてトレーニングを行います。

なので、慣れていない方が加圧の強度を強くしてしまうことで、痛みに耐えられない可能性が高いです。

結果、トレーニングが継続できず、成果が出にくくなり、辞めてしまうこともあります。

トレーニング経験を積むまでは、強度を低く行い、徐々に圧力を強く行うと良いでしょう。

筋肉増強効果のメカニズム

筋肉増強には成長ホルモンの分泌が必要です。

成長ホルモンと聞くと、子供の成長に必要なホルモンと考える人も多いでしょう。しかし実は、子供の成長以外に筋肉増強にも大きく関係していることをご存じでしょうか。

成長ホルモンとは、脳下垂体前葉から分泌される成長を促すホルモンのことで、思春期後半がピーク。20歳を過ぎると加齢に伴い分泌量が減って、30~40歳代にはピーク時の50%程度にまで減るといわれています。

一般的に大人になってからの筋肉増強を行う場合、高負荷の運動または、低負荷でも高負荷の運動をしたときと同じ状態にしてくれる加圧トレーニングをする必要があります。

加圧トレーニングのメリットは?

加圧トレーニングの効果や筋肉増強のメカニズムが分かったところで気になるのがトレーニングのメリットとデメリットです。

はじめに、メリットからチェックしてみましょう。加圧トレーニングの大きなメリットは「短時間で効果が分かる」「初心者でも楽に行える」「血行が良くなる」という3つです。

トレーニングというとある程度時間をかけてジックリと厳しいメニューをこなさなければ効果がないというイメージがあるのに対し、低負荷な運動を短時間こなすだけの加圧トレーニングでなぜこのようなメリットが期待できるのでしょうか。それぞれのメリットについて1つずつ解説していきます。

短時間で効果が分かる

トレーニングというと通常はある程度時間をかけて行いますが、加圧トレーニングで必要な時間は上肢約10分、下肢約15分の合わせて20~30分程度となっています。

このようになぜ加圧トレーニングが短時間で済むのかというと、加圧によって成長ホルモンやアナボリックホルモンという、アドレナリンや筋肉を作る指令を出すホルモンの分泌を促し、さらには、筋肉内を低酸素状態にすることで速筋繊維群を強化できるからです。

また、はじめに説明した速筋と遅筋が同時に鍛えられるという部分もトレーニング時間の短縮につながります。

ちなみに、速筋を鍛える場合に高負荷で短時間の運動が必要なのは、速筋が重たい物を持つときや短距離走といった瞬時に使う筋肉だからです。無酸素運動で使われる筋肉で、筋肉を大きくしたいときや力を強くしたいときにはこの筋肉を鍛えます。一方、遅筋を鍛える場合はマラソンなど長時間動くときに使う筋肉なので低負荷で長時間の運動が必要です。遅筋は筋肉の引き締めや持久力アップを目指す際に必要で、有酸素運動をすることで鍛えられます。

加圧トレーニングは加圧して血流を制限することでわざと筋肉内の酸素を不足させます。そうすることによって筋肉を長期運動した後のような状態にし、遅筋を動かします。すると、脳は強い負荷をかけられていると錯覚して、高負荷でないと鍛えられない速筋も活動し両方一緒に鍛えられることになるのです。

さらに、低負荷で運動をするため筋肉の損傷も小さくなり回復時間も短縮されるので、高頻度でトレーニングをすることができます。

初心者でもトレーニングが可能!

実は、加圧トレーニングは本格的に筋肉を鍛えたいという人だけに向いているトレーニングではありません。体力がない人でも比較的楽に行えるため、初心者はもちろん、中・高齢者など幅広い年齢層でも効果が期待できるとされているトレーニングです。

仮にジムでトレーニングを始めようと思っても、これまでほとんど運動をしたことがない人は体力がもつのか不安になるのではないでしょうか。

専用の器械を使った運動やダンベルなど重たい物を持っての運動は初心者にはきつく感じてしまいます。ジムでのトレーニングに挑戦したことはあるけれど、筋肉がなくて思うように運動できなかった、体力がもたなくて長続きしなかったという人も少なくないはずです。

しかし、加圧トレーニングは低負荷かつ短時間のトレーニングで効果が期待できるので、運動に苦手意識を持っている人でも負担になりにくいといえます。

また、無理な力を加えることや難しい動きをすることがないため、初心者でも要点をつかみやすく怪我のリスクも少ないのです。無理な体勢をとると怪我をするリスクがありますが、加圧トレーニングでは無理な体勢になることがありません。初心者でも気軽に始められるトレーニングといえるでしょう。

血行も良くなる!

人の体には動脈という心臓から全身に血液を送り続ける血管と、静脈という心臓へ戻っていく血管があり、その両方の血管が通る腕と脚の付け根を加圧して行うトレーニングが加圧トレーニングです。

腕や脚の付け根を加圧すると、一時的に腕や脚に血液が滞留して全身に回らなくなるので、危険を感じた脳は心臓に血流を増やすよう指令を出し、血液が滞留している腕や脚の血管は拡張します。

滞留した血液は行き場がなくなり流れる場所を探してこれまで使われていなかった毛細血管に流れていき、加圧をやめると血液が一気に流れ出し血液が体中に行き渡るのです。

これを繰り返し行うことで、酸素や栄養を細部に送り届け老廃物を静脈へ流す役割をしている毛細血管が増え続け、血液を循環させる力も増えるため血行が良くなります。

さらに、加圧トレーニングをしていると加齢とともに弾力を失った血管の弾力性を取り戻す効果も期待できます。

血管の一番内側にある血管内皮細胞は健康な血管を維持するのに重要な部分です。血管内皮細胞は一酸化窒素(NO)というさまざまな機能がある物質を生成しており、血管の弾力や血管壁の調節をしています。加圧トレーニングをすると一酸化窒素が分泌され、血管内皮細胞が若返るので弾力性を取り戻せるというわけです。

加圧トレーニングのデメリット

加圧トレーニングには嬉しいメリットがある一方、意識しておかなければいけない「負荷の選択が難しい」「血液制限に気を付ける」「効果はトレーナーの能力による」という3つのデメリットがあります。

加圧トレーニングは初心者でも比較的挑戦しやすいトレーニングですが、デメリットも把握したうえで始めることが大切です。では、ここからはデメリットについて1つ1つ詳しく見ていきましょう。

適した負荷が分かりにくい

加圧トレーニングは、もともとボディビルダーに向けての筋力アップや筋肉を大きくするために考案されたトレーニングです。

そのため、間違ったトレーニングをすると、必要以上に筋肉が大きくなってしまいます。理想のボディラインに近づくためにも、加圧トレーニングの特徴や筋肉が大きくなるメカニズムを正しく知っておく必要があるでしょう。特に女性は間違った方法でトレーニングをしてしまうと、ほどよく筋肉を大きくしたかったのに思ったよりも筋肉が目立つようになってしまう可能性も考えられます。

トレーニング中の圧力は上肢100mmHg、下肢150mmHg程度が適切とされているのですが、素人が自分で適切な負荷をかけるのは難しいでしょう。市場には簡単に加圧トレーニングができる製品がいくつも販売されているため、まずは手軽に家でやってみようと考える人もいるかもしれません。しかし、市場には偽造商品や粗悪品なども出回っているため、市場品を購入する際は注意が必要です。

着実に理想の筋肉を手に入れるためにも、必ず加圧トレーニング指導者の資格を持った人から指導を受けてください。適切な圧力はその日の体調によっても微妙に変化するので、正しい知識のある指導者にみてもらえば、そのときの自分に合った圧力を設定してもらえます。

血液制限には気を付けて!

血流を制限する加圧トレーニングでは、血管のポンプ作用が弱い人や血流量が少ない人は貧血を起こす可能性があります。1度に腕と脚の両方にベルトを巻いたり長時間加圧しっぱなしでいたりするのは危険です。無理をせず、少しずつ体を慣らしながらトレーニングをしてきましょう。

また、貧血に加えて低血糖になることで気持ちが悪くなることもあります。寝不足や疲れが溜まっているとき、空腹時などに加圧トレーニングをするのは避けたほうがいいです。

また、トレーニングがきつすぎたりトレーニング前に激しい動きをしたりしたときも具合が悪くなってしまいます。加圧トレーニングをする前はなるべく激しい運動はせず、落ち着いた状態で始めてください。トレーニング中にフラフラする、目の前がチカチカするなど違和感があればすぐにトレーナーに報告します。せっかくトレーニングをしているのだからと無理は禁物です。少し休憩して体調が戻った場合でも、その日のトレーニングは中止にして大事をとりましょう。

なお、心臓に障害のある人や高血圧、妊娠中の人、むくみを感じるなど体に異常がある人は、加圧トレーニングをする前に必ず事前に医師に相談してから始めましょう。

トレーナーの能力で効果が左右される

加圧トレーニングをするには必ずトレーナーの指導を受けなければいけませんが、トレーナーの能力で効果が異なってきます。

加圧トレーニングは、ほかのトレーニングで必要な運動生理学とは異なる要素がある特殊なメカニズムです。効果が実感できるようにするためには、その人に合った正しい負荷のかけ方や回数などを考えなければならないため、十分な経験や実績のあるトレーナーを選ぶ必要があります。

とはいえ、きちんとした資格を持ったベテランのトレーナーなら誰でも良いというわけでもありません。同じトレーニングを同じ回数こなすにしても、指導方法よっては続けられなくなったり辛く感じたりしてしまいます。友人など周りの人が気に入っているトレーナーを紹介してもらったとしても、そのトレーナーが自分にも合うとは限らないのです。

加圧トレーニングは基本的にマンツーマンで行うため、指導方法や性格が合うかなど、一緒にトレーニングをしていて苦にならない人柄であるかどうかも重要なポイントになります。

ちなみに、加圧トレーニングができるジムやスタジオを選ぶ際は、目的や場所、価格など自分が重視したい部分をチェックしながら比較してみてください。

トレーニング目的は筋力アップや美容、ダイエット目的など、人それぞれです。加圧トレーニングができるジムやスタジオは加圧以外の運動も取り入れながらトレーニングができるところや、女性専用設備が整っているところもあるのでチェックしてみましょう。

仕事帰りにトレーニングをしてから帰りたい人は職場近くで、休日ゆっくりトレーニングをしたい人は家の近くでなど場所で選ぶことも可能です。登録されているジムの件数が多いインターネットサイトで検索をすれば場所や特徴などから選べます。

首藤陸JATI-ATI認定トレーナー 首藤陸 コメント

加圧トレーニングのトレーナーについて、僕が考える信頼できるトレーナーの特徴は、機能解剖学や加圧についての情報量が非常に多いトレーナーです。

通常のトレーナーと異なり、加圧トレーナーの場合、機能解剖学の知識だけでなく、加圧の知識が必要になります。

なので、知識量が少なければ、加圧の位置をミスしてしまい、お客様の怪我につながる可能性も高いです。

この知識量を把握する上で重要なポイントは「資格」です。

資格を持っていれば、最低限の勉強を行っていると言う事になります。

なので、加圧トレーナーを見つける際は、まず資格を確認し、カウンセリングの対応を確認して選ぶと良いでしょう。

加圧トレーニングのダイエット効果は?

筋力アップや筋肉を大きくするためのトレーニングというイメージが強い加圧トレーニングですが、ダイエットしたいという人にも向いています。

なぜなら、筋肉が鍛えられると基礎代謝が上がって太りにくい体質になるからです。基礎代謝とは生命維持のために体内で使われるエネルギーのことで、呼吸や体温維持、血液を循環させるためなどに使われます。代謝には食べ物を消化するために使われる「食事誘発性熱生産」や動くことで消費される「活動代謝」もありますが、全体の約70%は基礎代謝です。

摂取エネルギーが消費エネルギーよりも多くなると脂肪として蓄積されてしまうため、太らないためには消費エネルギーのほうを多くさせなければいけません。

しかし、食事誘発性熱生産や活動代謝だけで摂取エネルギーよりも消費エネルギーが上回るようにするのはなかなか大変なことです。そこで、消費エネルギーの約70%を占める基礎代謝をアップさせたほうが効率がよいといえます。

加圧トレーニングをしながらダイエット効果も期待するなら、食事内容も意識したいものです。

例えば、トレーニング前は胃腸にあまり負担をかけないものを選び、トレーニングを始める30分前までに食事を済ませます。糖分が含まれているとトレーニング時のエネルギー源となるため、糖分が含まれ胃腸にも優しいバナナが良いでしょう。トレーニング後は栄養が吸収されやすい状態になっているので、筋肉を作る材料となるたんぱく質がぴったりです。トレーニングをした直後にたんぱく質を摂取することで、筋肉を作る手助けをしてくれます。

ただし、たんぱく質なら何でも良いわけではなく、体内で合成できない、筋肉や髪の毛など人の体を作るのに必要不可欠な必須アミノ酸が含まれているものが効果的です。必須アミノ酸がバランス良く含まれている食材は「アミノ酸スコア」という数値で分かります。アミノ酸スコア100が満点となり、満点に近づくほど必須アミノ酸が含まれているということです。

アミノ酸スコアが高くトレーニング後に向いている食材には、例えば「卵」「鶏肉」「乳製品」「大豆製品」などがあります。このなかでも卵、鶏肉、乳製品はアミノ酸スコアが100です。卵はゆで卵にしておけば油を使わず、トレーニング後でも手軽に食べられます。肉類は鶏肉だけでなく豚肉や牛肉もアミノ酸スコアは100です。しかし、豚肉や牛肉は脂質が高めなので比較的脂質の少ない鶏肉が向いています。大豆はアミノ酸スコア86で良質な植物性たんぱく質が摂取できる食材です。

なお、トレーニング直後に糖質や脂質を摂取すると、脂肪を増やす原因となってしまうのでダイエットを意識している人は避けましょう。

加圧トレーニングって?そのメリットデメリットを紹介まとめ

加圧トレーニングは低負荷で短時間の運動をするだけで筋肉増強効果が期待できるトレーニングです。初心者や運動をあまりしていなかった人でも挑戦しやすく、血行が良くなることや基礎代謝がアップして痩せやすくなるなどのメリットもあります。トレーニング前後の食事も意識すれば、より効率良く筋肉増強効果が期待できるでしょう。

ただし、血流を制限して行うトレーニングであり自分に適した負荷が分かりにくいため、間違った方法でトレーニングをすると体調を崩したり変に筋肉が大きくなったりしてしまうため、きちんとした資格を持ったトレーナーの指導を受けましょう。また、トレーナーの能力によって効果が左右されることも忘れてはいけません。

自分に合ったジムやスタジオを探す際は、インターネットで探すことをおすすめします。たとえば、優良パーソナルジムの情報サイト「みんなのパーソナルトレーニング」がおすすめです。優良ジムが700件以上も掲載されており、エリアでジムを検索できるのはもちろん、料金も一目で分かります。また、無料カウンセリングや体験トレーニングの有無も一目で分かるようになっているので、まずは体験してみたいという人は体験トレーニングがあるところを選ぶこともできます。

みんなのパーソナルトレーニングはジムの検索だけでなく、体験談やコラムが充実しているのも魅力です。リアルな体験談で雰囲気やトレーニング内容が詳しく分かります。コラムには選び方や料金相場などが詳しく紹介されているので、初めてトレーニングに通うという人は参考にできるでしょう。

加圧トレーニングをしてみたいと考えている人は、みんなのパーソナルトレーニングで自分にぴったりのジムを見つけてください。

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