パーソナルトレーナーの代表的な資格として選ばれている「JATI-ATI」を発行しているJATI(日本トレーニング指導者協会)へ取材をしました!
パーソナルトレーニングジムを探している人の中には、「ジムがたくさんありすぎて、何を基準に選べばいいかわからない!」という人も多いのではないでしょうか?
その判断基準の一つがパーソナルトレーナーの資格です。
パーソナルトレーニングを指導している人の中には、資格を持っていない人もいます。
「資格を持っていると何が良いのか」「複数あるパーソナルトレーナー資格の違いは?」など、JATI理事長の有賀さんに詳しくインタビューしてきました!
ジム選びに迷っている方は是非参考にしてみてください!
「みんなのパーソナルトレーニング」では、NSCA認定トレーナー(NESTA-PFT、NSCA-CPT)や管理栄養士の監修の基、情報提供を行っております。
JATI理事長 有賀さんのプロフィール
有賀 雅史(アルガ マサシ)
【協会役職】
特定非営利活動法人日本トレーニング指導者協会理事長 兼
広報・企画委員会委員長
日本トレーニング指導者協会発起人【所属】
帝京科学大学 医療科学部 教授【略歴】
1958年東京出身。1985年早稲田大学教育学部卒業。2006年女子栄養大学大学院(臨床栄養医学)修了。博士(栄養学)。 女子栄養大学兼任講師、国際武道大学体育学部非常勤講師、昭和学院短期大学教授等を経て、2011年より現職。帝京科学大学陸上競技部女子駅伝チーム、柔道部、帝京高校サッカー部アスレティックディレクター。JOC強化スタッフ(サーフィン競技)。イオン新体操クラブコンディショニングコーチ、ミズノゴルフスクールフィジカルコーチ、JOC強化スタッフ(新体操)、中田英寿氏(元サッカー日本代表)、西村晃一氏(プロビーチバレーボール選手)、大黒摩季氏(アーティスト)らのパーソナルトレーナーを務めた。【著書】
「ストレングス&コンディショニングⅠ・Ⅱ」、「トレーニング指導者テキスト実践編」、「トレーニング指導者テキスト実技編」、「スポーツトレーニングの常識を超えろ」(いずれも共著、大修館書店)、「スポーツコンディショニング」(共訳、大修館書店)。【保有資格】
・JATI認定特別上級トレーニング指導者(JATI-SATI)
・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
・ワールドラグビー認定メディカル・レベル2
・ワールドラグビー認定S&C・レベル2【特定非営利活動法人日本トレーニング指導者協会(JATI)】
公式ページ:https://jati.jp/
JATIってどんな組織?
運営部
さっそくですが、日本トレーニング指導者協会(JATI)とはどんな協会になりますか?
有賀さん
日本トレーニング指導者協会は名前の通りトレーニング指導に携わっている団体です。英文表記だと「Japan Association of Training Instructors」となり、頭文字をとって通称「JATI:ジャティ」としております。
JATI発足前の日本のトレーニング指導の状況は、海外の情報を輸入する一辺倒でした。
海外の情報も収集しながら、「日本社会に合った日本独自のトレーニング方法の構築」が必要だと考え、2006年にJATIを発足しました。
海外の提携している団体からゲストスピーカーをお呼びして海外の状況をお聞きしたり、逆にJATIに所属している人が海外でスピーカーを務めることもあります。
今では7,000名ほどの会員がおり、トレーニング指導者の横のつながりや情報ネットワークを作るだけでなく、JATI認定トレーニング指導者(JATI-ATI)などの認定資格を発行しています。
また、トレーニング指導の科学的な研究成果を蓄積・発表するための学会が、協会内に別組織としてあります。
運営部
海外の情報をとりいれつつ、日本独自のものに改良されているんですね!
JATI認定資格の特徴は?
運営部
さきほど認定資格の話がでましたが、詳しく教えてもらえますか?
有賀さん
一般の方の健康体力増進からトップアスリートの競技力向上まで、あらゆる対象や目的に対応できるトレーニング指導の専門家のためのスタンダードな資格になっています。
基礎資格であるJATI認定トレーニング指導者(JATI-ATI)を取得するには、大きく分けて2つの方法があります。
ひとつめは、JATI主催のトレーニング指導者養成講習会を(一般科目・専門科目の 2科目合計31時間)受講し、自己学習課題を提出して最後に試験を受ける方式です。
この講習会は専門的に運動指導に関する勉強をしたこと無い方でも、我々が目指すトレーニング指導者の実力がつくように厳選したカリキュラムとなっています。
テキストは科学的な根拠に基づいており、それぞれの分野において著名な専門家を選抜し、分担執筆していただいています。
ふたつめは、全国にあるJATI認定養成校・養成機関の専門学校・大学で所定の単位を修得後に、資格試験を受ける方式です。
どちらも認定資格を取得するためにはJATIに入会して会員になっていただく必要があります。
↓養成講習会の内容 ※1
※1 https://jati.jp/dl/download/ninteishikaku_2021_ver01.pdf から画像引用
JATIの認定資格は、以下の3つとなり、基礎資格であるJATI-ATIを取得後、運動指導経験等の条件が揃えば、上級資格を受験でき、トレーニング指導者自身の状況にあわせてレッベルアップができます。全体の保有資格者の中で最も割合が多いのはJATI-ATIです。
・JATI-ATI:トレーニング指導者
・JATI-AATI:上級トレーニング指導者
・JATI-SATI:特別上級トレーニング指導者
↓JATIの認定資格 ※2
※2 https://jati.jp/dl/download/ninteishikaku_2021_ver01.pdf から画像引用
運営部
資格保有者のみなさんがJATIの会員になっていて、その上で試験に合格されているんですね!
JATIの会員になるとトレーナーとしてはどんなメリットがありますか?
有賀さん
会員になると、実技・講義形式のワークショップなどの継続研修を受けることができます。
またJATI発行の機関誌を受け取れるので、最新の情報、海外の情報をキャッチできるほか、ホームページで職業機会の提供もおこなっています。
また、テキスト以外にもJATIが著者と協力して専門書を刊行しています。
最近だと『VBT トレーニングの効果は「速度」が決める』や『アスリートのための解剖学』、『「スポーツ栄養学がわかる」-パフォーマンス向上から健康維持まで-』を出版しました。
↓最近の出版物※3
※3 amazonから画像引用
『奇抜で根拠のないものは出さない。正しく、直球でオーソドックス。』ということを大切にして出版をしています。
機関誌は日本発信でトレーニングに関わるさまざまな分野を網羅しており、専門家が読んでも面白いのではないかと思っています。
運営部
継続的な研修を受けることができ、最新の情報が常にアップデートできる環境があるんですね!
パーソナルトレーニング選びの注意点
運営部
これからパーソナルトレーニングを受けようと考えている人が、ジムを選ぶ上で大切にした方が良いことはありますか?
有賀さん
トレーニングには危険が伴うので、やはり一番大事なのは「安全性」です。
解剖学や生理学を学び、安全に正しく、そして効果的にトレーニングを指導できる人プロである資格保有者にお願いするのが良いでしょう。
無理をして短期間で結果を出せたとしても、資本である身体を壊してしまったら元も子もありません。
本来トレーニングは、長い時間をかけて行うべきもので、トレーナーは顧客の結果に対して長期的に責任を持つべきです。
運営部
なるほど!確かにトレーニングにおいて、安全性は重要視すべきですね。
JATIの資格保有者からトレーニングを受けるメリット
運営部
具体的にJATIの資格保有者に指導していただくメリットを教えてください。
有賀さん
最近ではYouTubeやInstagramなどのSNSが発達していることから、自ら発信する人が増えてきていますよね。
ただ、あまり科学的根拠のないトレーニング方法を発信される方が非常に多く、間違ったトレーニングを行うことによってケガをしたり、健康を害する可能性があり、危惧しています。
一方、JATIの認定資格は、厳選されたカリキュラムの元で必要とされる知識・技術はもちろんのこと、安全に正しく、また効率良く指導できる資質を備えています。
また、JATIの認定資格を保持するためには自らの勉強の継続が必須になるほか、現場での経験を積まないと上級資格へレベルアップできないシステムになっています。
以上のことからJATIの認定資格保持者は、①安全性②指導力③資格保持・レベルアップの難しさという点で信頼がおけるといえます。
運営部
JATIのトレーナーさんにお願いすると、安心して効率良くトレーニングに励めそうですね!
パーソナルトレーナーの資格はいくつかありますが、どのような違いがありますか?
有賀さん
日本で普及しているJATI以外のパーソナルトレーナー資格は、アメリカが発祥の資格が多いです。
JATIは「日本発祥のものが必要」という認識から誕生しているところが1番の違いです。
JATIの機関誌には全国・全世界に点在する日本のフィットネス・医学・トレーニング・栄養・心理・マネージメントなどを扱っており、誰が読んでも関心を持てそうなところがあると思いますよ。
運営部
医学・トレーニング・栄養などは高度な知識が必要になると思うのですが、どのような人が執筆して機関誌を発行されているんですか?
有賀さん
研究者や大学教授など、その道の第一線を走っている方に執筆をお願いしています。
最近の記事で話題性があったものを紹介します。コロナ禍でリモートで仕事をするようになり、座る時間が長くなっていますよね。
例えば8時間座りっぱなしでいると、その後に30分~1時間ランニングしても、長時間座っていた分の健康の害は消えないとされています。
30分に一回は少しでも立つと、座り作業での健康の害を減らすことができます。
パーソナルトレーナーは、こういったお客さんの生活習慣を把握し、何が足りないのかアドバイスすることが求められるので、JATIからさまざまな分野の情報を発信しています。
運営部
さまざまな情報を発信してもらえれば、資格保有者の知識が上がっていきますね!
有賀さん
資格を保有することに終始するのではなく、トレーニング指導とは人のためにする仕事なので勉強を続けることが大切です。
我々のトレーニングは、scientific coaching for training(トレーニングのための科学的な指導)であるため、科学的根拠を大切にしています。
パーソナルトレーナーにおいては、顧客のバックグラウンド(なぜトレーニングを行うか)を知った上で正しく指導し結果を出すことが求められるので、我々の理念に賛同してくれるようなジムがより増えてくれると嬉しいです。
さいごに:パーソナルトレーニングをはじめようと思っている方にむけて
運営部
さいごに、パーソナルトレーニングをこれからはじめようと思っている方に向けて、メッセージをお願いします!
有賀さん
パーソナルトレーニングを行うと、
1.筋肉、体力がつき、疲れにくくなる。
↓
2.疲れにくくなると、身体をより活発に動かすことが可能になり、自信がつく。
↓
3.精神的ストレスを運動によって解消できるため、前向きになる。
↓
4.自信がつくと、前向きになりやる気が出てくる。
↓
5.自分の身体に向き合えるため、食事面などで健康管理能力も向上する。
などなど、さまざまな効果が期待できます。
パーソナルトレーニングは健康寿命の延伸につなげ、人生の質を高めるきっかけになると考えています。
ぜひ自分に合ったトレーナーを見つけてトレーニングを始めてみてください。
運営部
本日はありがとうございました!
運営部
パーソナルトレーナーの人気資格、JATIについてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか??
パーソナルジムの入会を迷っている方、決めかねている方は是非、『JATIの資格をもっているパーソナルトレーナー』を判断基準に検討してみてください!
パーソナルトレーニングジム選びに迷っている方は以下の記事も参考にしてください。