「ダイエットでお腹周りは痩せたけど、ふくらはぎだけは痩せない」「足首は細い方だと思うけど、ふくらはぎは太い」など、ふくらはぎは身体の中でもなかなか細くなりにくい部分といえるでしょう。しかし、ふくらはぎが太い、あるいは痩せないその原因というのは、実は人によって異なり、その対処法もまた異なります。
今回は、そんなふくらはぎが痩せない原因を探りつつ、ふくらはぎを細くする方法や、ふくらはぎを細くするために簡単で効果的なトレーニングについてご紹介します。
ふくらはぎを細くしたいなら、まずは原因を突き止めよう
ふくらはぎを細くしたいからといって、やみくもにダイエットや筋トレをしてもほとんど効果が見られない場合があります。なぜなら、それはふくらはぎが太い原因と結びついていないからです。
自分のふくらはぎの太さが気になっているという人は、他人のふくらはぎをよく観察してみると良いかもしれません。
ふくらはぎだけではなく足全体が太い人もいれば、ふくらはぎの一部分だけが張っている感じに見える人、よく見るとそれほど太くはないものの、たるんだ印象の人など、微妙にタイプが違っているはずです。
ふくらはぎを効率よく細くするために、自分のふくらはぎの形や生活習慣を振り返りながら、まずは自分のふくらはぎの太さの原因がどこにあるのかを突き止めるところから始めてみましょう。
原因1:脂肪太り
ふくらはぎが太くなる原因として最もシンプルなものといえるのが脂肪太りによるものです。ふくらはぎは歩く時や階段を上る時など、身体の中でも日常生活でよく使う部分なので、なんとなく脂肪がつきにくいイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、やはりお腹や二の腕などと同じように、体重が増え身体に脂肪がつくといくら活動量の多いふくらはぎであっても脂肪はついてしまうものです。なぜなら、太る時というのは身体全体にまんべんなく脂肪がついていくからです。
最近ふくらはぎの太さが気になるという人は、まず体重に変化はないか、身体の他の部分にも脂肪がついていないかを改めてチェックしてみましょう。
また、「昔運動をしていたせいで今も筋肉がついていてふくらはぎが太い」と思っている人も注意が必要です。たしかに最初は筋肉でふくらはぎが太くなっていたかもしれませんが、現在は筋肉が落ち、脂肪になってしまっているかもしれません。
JATI-ATI認定トレーナー 首藤陸 コメント
ふくらはぎが太い原因として筋肉か脂肪かを見極める方法は、力を入れた際のふくらはぎの境界線を見ると良いでしょう。
具体的な確認方法は「壁に手をつき、つま先立ちをする」この際にふくらはぎと足首のやや上の位置に境界線ができれば、筋肉の可能性が高いです。
一方、境界線ができず、ぷにぷにとしている場合は、脂肪の可能性が高いということになります。
筋肉が多く、張りのある方はストレッチや歩行の動作の修正を行い、脂肪が多い方は、下半身のトレーニングを行うと良いでしょう。
「みんなのパーソナルトレーニング」では、NSCA認定トレーナー(NESTA-PFT、NSCA-CPT)や管理栄養士の監修の基、情報提供を行っております。
原因2:筋肉太り
脂肪太りとは対照的に、筋トレなど何らかの運動を楽しく続けているうちに筋肉がふくらはぎにつきすぎてしまい、筋肉によってふくらはぎが太く見えてしまっているケースもあります。
「ヒラメ筋」と呼ばれる筋肉の名前。一度は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。この筋肉はふくらはぎにあり、さらにふくらはぎには「腓腹筋(ひふくきん)」と呼ばれる筋肉も存在します。筋肉によってふくらはぎを太く見せてしまっているのはこの2種類の筋肉のうちのヒラメ筋の方で、ハイヒールなどを日常的に履いているとヒラメ筋が発達しやすくなります。
筋肉がつくことは決して悪いことではないため、筋肉太りによってふくらはぎが太くなっている場合には、ヒラメ筋ではなく腓腹筋を使う歩き方を心掛けてみたり、ふくらはぎ以外の脚の筋肉を鍛えたりすることで、脚全体の筋肉のバランスを整えてみると良いでしょう。
原因3:むくみ
見た目の太さだけではなく、体感的にふくらはぎのむくみを感じている人も多いことでしょう。
実はふくらはぎの筋肉というのは、下半身にある血液を心臓へと送るポンプのような役割を持っていて、下半身の中でも血液が集まりやすい部分なのです。しかし、例えばデスクワークなどでずっと座っていたり、立ち仕事でずっと立ったままでいたりすると、ポンプの動きが鈍くなり、ふくらはぎに老廃物が溜まってしまい、むくみを引き起こしてしまいます。
また、冷え性の場合も筋肉が固くなってしまうことで血行が滞り、むくみを引き起こしてしまうことにも。そのため、ふくらはぎの太さの原因がむくみであると考えられる場合には、マッサージや軽い運動、さらに塩分の摂りすぎ、身体の冷えにも注意することで、見た目の太さが改善される可能性があります。
原因4:骨格のゆがみ
ふくらはぎの外側が張っていて太く見えてしまうという人は、骨格のゆがみが原因かもしれません。
まずX脚の人の場合は、太もものシルエットが膝に向かって細く見えるのに対して、ふくらはぎが外側にせり出すような形になってしまいます。そのため、ふくらはぎ自体は決して太いわけではないのに、視覚的な問題で太って見えてしまうのです。
また、O脚の人の場合は、脚の外側にあたる部分で身体を支える形になっているため、X脚のように見た目だけ外側に張っているように見えるのではなく、実際に脚全体の外側の筋肉が張ってしまっています。
このように、骨格のゆがみが原因の場合には、ストレッチや整体院などでのケアによりふくらはぎの張り出した感じを改善できる可能性があります。
ふくらはぎを細くする方法
ふくらはぎが太くなる原因がわかったところで、次はふくらはぎを細くする方法についてご紹介していきたいと思います。
自分の原因に合った方法を積極的に取り入れ、時にはいくつかの方法を組み合わせながら、理想のふくらはぎを手に入れましょう。
筋トレ
ふくらはぎだけが太いのではなく、身体全体についている脂肪がついている脂肪太りタイプの人は、筋トレで脂肪を筋肉に変える方法がおすすめです。ただし、ウエイトトレーニングやマシンを使ったトレーニングなどふくらはぎに負荷が大きくかかるトレーニングは避けましょう。
ふくらはぎを細くするトレーニング方法については後ほど詳しく解説しますので、そちらを参考にしてみてください。
マッサージ
筋肉太りでふくらはぎの肉が固くなっている人や、ふくらはぎのむくみが気になるという人にはマッサージがおすすめです。マッサージによって血流やリンパの流れを良くすることで、ふくらぎの筋肉を柔らかくなり、ほっそりと見せる効果が期待できます。
握りこぶしを作り、足首から上へ向かって脚の両サイドの骨の下あたりを10回ほど押し、さらに膝の裏を押す…といったリンパマッサージであれば、どこでも簡単にできるので習慣化すると良いでしょう。
ストレッチ
マッサージと並んで手軽にできる方法がストレッチです。筋肉太りやむくみ太り、冷え性タイプの方におすすめです。
脚を伸ばしつま先が上を向いた状態と、床と水平になるようにつま先を伸ばした状態を5秒間ずつキープする方法や、同じく脚を伸ばした状態で、かかとを床につけ、足首を左右に動かすストレッチなどは簡単で続けやすいでしょう。
食生活の改善
特に脂肪太りが原因と考えられる人は、筋トレに加えて食生活の改善にも取り組みましょう。単純なことではありますが、日頃から食べ過ぎていないかを振り返り、食べ過ぎだと感じる場合は食事量を減らす、間食を避けるといった小さな日々の積み重ねが大切です。
むくみ太りタイプの人は、塩分を控えめにする習慣をつけるとともに、塩分を対外に排泄する作用を持つカリウムを含む食品を積極的にとるように意識してみましょう。なお、キノコ類や海藻類、りんご、バナナ、ほうれん草、アボカドなどにはカリウムが多く含まれています。
歩き方の改善
歩き方の改善は、原因を問わずふくらはぎを細くするのに有効な方法のひとつです。ハイヒールを日常的に履いているとふくらはぎが太くなりやすくなることを先にお伝えしましたが、これは、重心がつま先にかかってしまうからです。
骨盤はまっすぐに、顎を引き、目線はやや上に。お尻を引いて、足の付け根から脚を出し、膝は伸ばす。そして足は踵と足の外側から着地させる…そんなイメージで歩いてみると良いでしょう。日常生活の上で歩くことは避けては通れないため、この歩き方が無意識にできるようになれば、日常的にトレーニングをしていることになり効率良く美しいラインの脚を手に入れることができるはずです。
【原因別】ふくらはぎを細くするトレーニング方法
ここからは、ふくらはぎが太くなる原因別におすすめのトレーニング方法をご紹介していきます。いずれも特別な道具などは必要なく、自宅で簡単にできるものですのでぜひチャレンジしてみてください。
スタンディングカーフレイズ
脂肪太りやむくみ太り、冷え性タイプの人にはふくらはぎの筋トレメニューとして最もオーソドックスともいえる「スタンディングカーフレイズ」がおすすめです。家事や仕事中、ちょっとした待ち時間などにもできるので、ぜひ日常的に行う癖をつけてみてください。
【スタンディングカーフレイズの方法】
1.床にまっすぐ立ち、肩幅の広さ程度に足を広げる
2.背筋を伸ばして踵を上げ、つま先立ちの状態にする
3.踵を上げきったら1秒おいて、ゆっくりと踵を下げる
※1~3までの動作を50回繰り返すことを1セットとし、1セット終われば30秒ほど休憩し、合計3セットを目標に行いましょう。ポイントは勢いをつけずにゆっくり行うこと。また、ふくらはぎの筋肉にも意識を集中させてください。
ヒップリフト
筋肉太りタイプの人には、脚全体にバランスよく筋肉をつけることでふくらはぎに集中して筋肉がつくことを防げるトレーニングがおすすめです。
「ヒップリフト」はお尻の筋肉を鍛え、股関節を柔らかくする効果があります。股関節を柔らかくすることによって歩幅が大きくなると、脚全体を使って歩くようになるため、脚全体の筋肉がバランスよく鍛えられます。
【ヒップリフトの方法】
1.仰向けになり、足裏を床にぴったりとつけ、足を肩幅に開く
2.足裏全体を使って床を押し、お尻に力を入れてお尻を2秒持ち上げる
3.2秒かけてゆっくりとお尻を床に戻す
※1~3までの動作を20回繰り返すことを1セットとし、合計3セットを目標に行いましょう。ポイントは足裏全体を使うことと、お尻の筋肉に意識を集中させることです。
アンクルホップ
「アンクルホップ」は、ふくらはぎの血流を促進するトレーニングです。そのため、むくみ太りタイプや冷え性タイプの方にとくにおすすめです。
【アンクルホップの方法】
1.足を肩幅程度に開いて立つ
2.そのまま、腕を下から上げながらジャンプをする
3.縄跳びをするようなイメージで2を連続して行う
※30回のジャンプを1セットとし、合計3セットを目標に行います。着地をする際はつま先で着地し、かかとを地面につけないことを意識しましょう。また膝は曲げすぎると関節を痛めるおそれがあるため、足首で飛ぶイメージで飛ぶことがポイントです。
レッグランジ
全てのタイプの人におすすめのトレーニングが「レッグランジ」です。ヒップラインをはじめ、脚全体の筋肉量が増やせるため、バランス良く筋肉をつけることができます。また、基礎代謝もアップするため、むくみや冷え性にも効果的です。
【レッグランジの方法】
1.足を肩幅より少し狭い間隔で開く
2.腰の後ろ、または頭の後ろで両手を組む
3.右足を前に大きく踏み出し、腰をゆっくりと落とす
4.右足の太ももを地面と並行になるまで下げたら、ゆっくりと元の状態に戻す
※1~4までの動作を20回繰り返し、右足が終わったら左足も同様に20回繰り返します。両足20回ずつを1セットとし、1セット終了後は30秒間の休憩を挟みます。合計で2セットを目標に行いましょう。ポイントは背筋を伸ばして、ゆっくりと行うこと。筋肉にじわじわと刺激を与えるイメージです。
確実にふくらはぎを細くしたいならパーソナルジムもおすすめ
ここまでふくらはぎを細くするための原因や方法をご紹介してきましたが、いずれの方法もコツコツ継続することが何よりも大切です。そのため、「効果が期待できるレーニングをしたい」「1人でちゃんとトレーニングできるか不安」と感じる人もいるでしょう。
そんな人にはパーソナルジムでプロの指導のもと、自分専用のトレーニングをしてみることをおすすめします。パーソナルジム情報サイト「みんなのパーソナルトレーニング」では、地域別などの検索はもちろん、こだわり条件での検索も可能です。「脚痩せ」や「オンライン」といったジャンル別や、クチコミや価格帯などでも検索できますので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
JATI-ATI認定トレーナー 首藤陸 コメント
僕のお客様で、ふくらはぎを痩せさせることに成功した方の事例を紹介します。
ふくらはぎの脂肪が多かったお客様は、下半身のトレーニングを行っていませんでした。
なので、スクワット,カーフレイズ,ブルガリアンスクワットなどの下半身の種目を多く取り入れ、筋肉量を増やすことを中心に行いました。
結果、体脂肪で太く見えていたふくらはぎが細くなり、脚全体を細く見せることができました。
一方、筋肉でふくらはぎが太く見えていたお客様もいらっしゃいます。
このような場合、むくみである可能性も高いため、食事内容の改善と歩行動作の改善を行いました。
具体的には、カリウムの多い食材を摂取し、体内の水分を出すことでむくみ解消。
つま先重心になり、ふくらはぎに力が入ることで張ってしまっている原因を解決するため、かかとから着地するように意識していただきました。
結果、ふくらはぎの張りを改善することで脚痩せの効果を体感していただけました。
このように、ふくらはぎの太さにはパターンがあります。
なので、間違ったトレーニングで、脚を太くしないためにも、パーソナルトレーニングを受けると良いでしょう。